犬の平均寿命
犬の平均寿命は犬種や体格によって異なりますが、10歳〜15歳です。近年の獣医療の発展と飼育環境の改善により、平均寿命は年々延びている傾向にあります。
アニコム損害保険会社が発表した「家庭どうぶつ白書2023年」によると、2021年度の犬の平均寿命は過去最高の14.7歳でした。12年前の2009年は13.7歳であり、およそ1歳伸びています。
平均寿命は上昇傾向にありますが、ケガや事故、病気などのリスクは常に付きまといます。愛犬に元気に暮らしてもらうためには、適切な食事や運動、定期的な検診が大切です。
ギネス世界記録に認定されている犬の最高齢
現在、ギネス世界記録で認定されている犬の最高年齢は、オーストラリアの「ブルーイー」の29歳5ヶ月です。ブルーイーは1910年7月7日に生まれ、1939年11月14日に亡くなりました。
なお、日本でも栃木県の雑種犬「ぷースケ」が26歳と9カ月の長寿を達成し、2010年12月から2011年12月まで最高齢犬としてギネスブックに登録されていました。これは歴代でも世界第10位の記録です。
犬種別の平均寿命の違い
犬の平均寿命は犬種によって異なります。ここでは、小型犬、中型犬、大型犬の平均寿命について詳しく見ていきましょう。
小型犬の寿命
小型犬は、他の体格の犬種と比較して平均寿命が長いです。チワワ、ヨークシャーテリア、トイプードルなどの小型犬は、15年以上生きることが多く、中には20年近く生きる個体もいます。
小型犬が長寿である理由は、体の小ささゆえに老化のスピードが遅いことや、飼い主との密接な関係による良好な飼育環境が影響していると考えられています。
中型犬の寿命
ビーグル、シェルティー、コーギーなどの中型犬は、おおむね12〜15年ほどの寿命です。中型犬は、小型犬と比べると老化のスピードがやや速いものの、大型犬ほど短命ではありません。
大型犬の寿命
犬型犬は、小型犬や中型犬と比べると平均寿命が短い傾向にあります。ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、ジャーマン・シェパードなどの大型犬の平均寿命は、8〜12年程度です。
大型犬が短命である理由は、体の大きさゆえに老化のスピードが速いことや、関節疾患などの健康問題を抱えやすいことが影響していると考えられています。
犬の年齢を人の年齢に換算すると?
人の年齢に換算したときの犬の年齢は、以下の計算式を使います。
- 小型・中型犬:24+(年齢-2)×4
- 大型犬:12+(年齢-1)×7
例えば、大型犬で1歳の場合は、人間でいう12歳に相当します。2歳では19歳、3歳では26歳というように、1年ごとに7歳ずつ加算されていきます。ただし、これらの計算式はあくまでも目安であり、個体差や飼育環境などの影響も受けることに注意が必要です。
愛犬の寿命を延ばすための飼い主ができること
愛犬の寿命を延ばすための飼い主ができることを6つ紹介します。
バランスの取れた食事を与える
愛犬の健康と寿命を左右する重要な要素の一つが、バランスの取れた食事です。犬の食べ物に関しては、基本的に総合栄養食として販売されているドッグフードを与えます。これらのドッグフードには愛犬に必要な栄養素を適切な割合で含まれています。
一方、人間の食べ物の中には、愛犬にとって有害なものがあることに注意が必要です。チョコレートやブドウ、玉ねぎ、ニンニクなどは、愛犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、与えてはいけません。
犬が食べてはいけないものについて「犬が食べてはいけないものとは?食べてしまったときの対処法も解説」で詳しく解説しているので、こちらもあわせてチェックしてみてください。
定期的に運動する
定期的な運動は、愛犬の健康維持に欠かせません。運動不足は肥満や関節疾患のリスクを高めます。散歩やボール遊びなど、犬種や年齢に合わせた適度な運動を心がけましょう。
一方で、過度な運動も体に負担をかけるので注意が必要です。例えば散歩に関しては、毎日15分から1時間程度をベースに、愛犬の体調や気分を見ながら運動量を調整しましょう。
お手入れして清潔に保つ
ブラッシングや歯磨きなど日々のお手入れも欠かせません。毛のお手入れを怠ると皮膚トラブルや被毛の痛み、歯磨きを怠ると歯垢や歯石が溜まり、歯周病を引き起こすリスクが高まります。
歯周病は、愛犬の口臭の原因となるだけでなく、細菌が血管に入り込み、心臓や腎臓などの重要な臓器に悪影響を及ぼす可能性もあります。愛犬に長く健康でいてもらうためにも、日々のお手入れを習慣化しましょう。
快適に過ごせるような環境を整える
愛犬にとって快適で安全な環境を整えることは、ストレスの軽減につながり、健康的な生活を送るために欠かせません。騒音や不衛生な環境は愛犬に大きなストレスを与え、免疫力の低下や病気の原因となる可能性があります。
また、愛犬が分離不安を抱えている場合、飼い主の長時間の不在が大きなストレス要因となります。
愛犬が安心して過ごせる居場所を探すとともに、清潔で居心地の良い空間づくりを心がけましょう。分離不安に関しては1人でも留守番できるように練習したり、おもちゃやおやつなどを活用したりして、留守番中も「楽しい!」と思ってもらえるような環境を作ってあげるとよいでしょう。
定期的に健康診断を受ける
犬はどんなに社交的でも喋ることはできないため、体調不良を飼い主に直接伝えることができません。そのため、定期的に健康診断を受けて、愛犬の健康状態を専門家に診てもらう必要があるのです。
万が一病気にかかっていたとしても早期治療することで、愛犬の苦痛を最小限に抑え、回復の可能性を高められます。年1〜2回は健康診断を受け、ワクチン接種や寄生虫予防なども忘れずに行いましょう。
日々のスキンシップを欠かさない
愛犬に少しでも長生きしてもらうためには、日々のスキンシップも効果的です。犬がスキンシップをとることで、オキシトシンが分泌されます。
オキシトシンは「幸せホルモン」「愛情ホルモン」と呼ばれ、ストレスを軽減し、免疫力を高める効果があると言われています。散歩や遊びの時間を大切にし、たっぷりと愛情を注いであげましょう。
また、普段の様子をよく観察し、いつもと違う行動や食欲の変化など、小さな異変を見逃さないようにすることも重要です。
おすすめサイト
最近は健康維持のために考えられたサプリメントやおやつといったものも増えてきているので、活用してみるのも一つの手です。
参考:HuPele(ヒューペル)|ワンちゃんネコちゃんの健康のためのサプリメント・おやつ通販サイト
犬種によって寿命は様々。愛情を注いで大切に育てよう!
犬の寿命は犬種や体格によって大きく異なり、10歳〜15歳です。愛犬との幸せな時間を最大限に延ばすために、食事や運動、衛生管理など飼い主が出来ることはたくさんあります。
一日一日を大切に過ごし、かけがえのない家族との思い出を積み重ねていきましょう。