犬の社会化期とは?
犬の社会化期とは、さまざまな環境や刺激に順応する力を身につける大切な時期のことです。個体差はありますが、生後3週間から12週間までの期間を指します。
犬が人間と生活していくためには、人間の生活に慣れていかなければいけません。人間にとって当たり前の環境でも、子犬にとっては初めて見るものや、初めて聞く音ばかり。
そのため、社会化期で様々な経験を積み、日常に慣れてもらうことが大切なのです。そうすることで、環境や外部要因からくるストレスが減り、穏やかな性格に育つ可能性が高まります。
社会化期とワクチン接種
数回のワクチン接種が必要な子犬の時期は、ちょうど社会化期と重なります。感染症予防のため外出を控えなければいけない一方で、社会化も進めたい難しい時期です。
ワクチン接種が完了するまで外出を完全に控えてしまうと、大切な社会化期を逃してしまいます。2回目のワクチン接種が完了した2〜3週間後を目安に、抱っこで近場を散歩するところから始め、少しずつ外の環境に触れさせていきましょう。
ただし、感染症リスクや子犬の体調を考慮することが大切です。いつ散歩に連れて行くかは、かかりつけの獣医師に相談してから決めましょう。
社会化期を過ぎてしまったら?
社会化期を過ぎてしまっても、諦める必要はありません。
あくまでこの時期が社会化に適しているというだけであって、大人になってからでも遅すぎることはありません。ゆっくりと時間をかければ、成犬でも新しい環境や状況に慣れることができます。
ただし、より時間と根気が必要になるので、焦らずゆっくりと進めていくことが大切です。犬が不安を感じない範囲で、少しずつ新しい体験を重ねていきましょう。/p>
犬の社会化期と生活への影響
社会性が足りない子は、毎日の生活でちょっとした困りごとが出てきます。知らない人や他の犬を見かけると大騒ぎで吠えたり、掃除機の音や外の車の音にびっくりして怖がったり。些細なことでも大げさに反応してしまいます。
留守番も課題です。飼い主さんと離れるのが怖くて不安になり、ずっと吠え続けたり、家具や壁を傷つけたりすることも。こんな状態が続くと、ペットホテルにも預けづらくなって、飼い主さんの外出もままならなくなってしまいます。
このような困りごとを防ぐためにも、子犬の時期からの社会化トレーニングが非常に大切です。
犬の社会化トレーニング4つ
子犬の時期に経験しておきたい社会化トレーニングを4つ紹介します。焦らず少しずつ、楽しみながら進めていきましょう。
1.身体に触れる
身体にたくさん触れることも、犬の社会化トレーニングの一つです。トリミングや病院での診察を嫌がらないよう、早めに慣れさせることが大切です。
耳や足、お腹など、普段あまり触られない場所も、短い時間から始めて徐々に触る時間を増やしていきましょう。
2.音やものに慣れる
家の中の音から始めましょう。掃除機、洗濯機、電子レンジなど、生活音に少しずつ慣らしていきます。音が鳴ったらおやつをあげるなど、良い経験と結びつけるのがポイントです。
3.色んな人と接する
色んな人と接することで、人に対する警戒心をなくしていきます。子供から高齢者まで、様々な年齢や性別の人と触れ合うことが大切です。
第一歩として、友人や知り合いに家に来てもらうのがおすすめ。最初は距離を取って、子犬が落ち着くまで様子を見ます。おかしを持っていれば、徐々に近づいてくるので、そのタイミングでおかしをあげてもらいましょう。
4.他の犬と関わる
他の犬と遊ぶ機会を作りましょう。適切な距離感やコミュニケーションの取り方を学び、社会性が育まれていきます。また、運動不足の解消やストレス発散になるなどのメリットがあります。
犬はコミュニケーションを取りたがる動物ですが、相性を確認することが大切です。特に初めて会う犬との触れ合いでは、お互いの様子をよく観察しながら進めましょう。
また、必ずリードをつないでおくことが重要です。万が一の時にすぐに引き離せるようにするためです。
犬の社会化期での接し方・注意点
ここでは、犬の社会化期での接し方・注意点を複数紹介します。
犬のしつけ方 | 基本のしつけ一覧や上手に行うポイントを解説
よく観察する
よく観察することで、その子の性格や特徴がわかってきます。尻尾の位置や耳の動き、体の緊張具合など、些細な変化も見逃さないようにしましょう。
好きなものと苦手なものを理解することで、より効果的なトレーニングができます。苦手なことは無理強いせず、好きなことから少しずつ広げていくのがコツです。
たくさん褒めてあげる
楽しいことをたくさん経験させることが、社会化の基本です。新しいことに挑戦できたときは、たっぷり褒めてあげましょう。声のトーンを明るくして、子犬が嬉しくなるような雰囲気を作ります。
おやつを与えてご褒美にするのも効果的です。ただし、与えるタイミングが大切。良い行動をした直後に与えるようにしましょう。
怖がるときは無理をさせない
無理に経験させようとすると、逆に恐怖体験として認識され、マイナスな影響を与えてしまう可能性があります。
怖がっているときは、すぐにその場から離れましょう。性格や体調によっても、その日の受け入れ具合は変わってきます。調子の悪い日は無理をせず、その子のペースを大切にしましょう。
少しずつ慣れしていく
一度にたくさんの経験をさせようとせず、できることから少しずつ始めましょう。例えば散歩なら、最初は家の周りを5分程度から。
慣れてきたら少しずつ距離や時間を延ばしていきます。焦らず、着実に進めていくのが大切です。
周囲に気を配る
全員が犬好きとは限らないので、周りの人への配慮も忘れずに。特に子供や高齢者が近くにいるときは気を付けましょう。
また、他の犬の飼い主さんにも、「トレーニング中です」と一声かけてから接近するなど、思いやりを持って接することが大切です。
社会化期は、犬の社会性を育む大切な時期
社会化期は、犬の社会性を育む大切な時期です。子犬の時期に様々な経験を積むことは、将来の性格形成に大きな影響を与えます。
本記事で紹介した4つのトレーニング方法と接し方のポイントを意識しながら、犬の社会化期を過ごしていきましょう。うまくいかないときもあるかもしれませんが、焦らず、楽しみながら進めていくことが大切です。
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