猫が毛づくろいをする7つの理由・心理
猫は、起きている時間の約30%を毛づくろいに費やすと言われています。ここでは、猫が毛づくろいをする7つの理由を見ていきましょう。
1.身体の清潔さを保つため
猫の舌には、糸状乳頭と呼ばれる無数の小さな突起があり、これがブラシのような役割をします。このザラザラした舌で毛づくろいをすることで、被毛に付着した汚れや抜け毛を取り除いているのです。
2.精神を落ち着かせるため
舌のザラザラした刺激で脳が活性化され、セロトニンという幸せホルモンが分泌されます。このホルモン作用により、猫はリラックスした状態になれるのです。
3.ストレスを発散するため
不安や緊張を感じたとき、猫は気持ちを落ち着かせるために毛づくろいをします。これを転位行動と呼び、脇腹や後ろ足を執着的に舐める様子が見られます。
4.体温を調節するため
猫は人間のように全身に汗腺が発達していないため、体温調節が難しい動物です。そのため、毛づくろいで体温調節を行います。
唾液を被毛に付けることで蒸発時の気化熱により体温を下げたり、冬は被毛に空気を含ませることで体温の維持を助けたりしています。
5.においを消すため
猫が毛づくろいをする理由の1つに、狩猟本能の名残があります。舐めることで体に付いた餌などのにおいを消して、獲物に気づかれないようにしていました。
6.自分のにおいをつけるため
愛猫をなでた後、すぐにその場所を舐める猫を見てがっかりした飼い主さんは多いのではないでしょうか。
実はこれは、自分以外のにおいが付くことを嫌う猫の習性によるもの。猫は自分のにおいを保ちたいと思っており、毛づくろいを通じて自分の匂いを付け直すことで、安心感を得ているのです。
7.他の猫とコミュニケーションをとるため
多頭飼いなど一緒に暮らしている猫同士で毛づくろいしあうことがあります。これはアログルーミングと呼ばれる愛情表現の一つで、自分では届きにくい頭や首周りを舐め合うことで、お互いの信頼関係を深めているのです。
とはいえ、アログルーミングをしないからといって、必ずしも仲が悪いわけではありません。
毛づくろいのタイミングと意味
ここでは、毛づくろいのタイミングとその意味について紹介します。
食事の後に行う毛づくろい
食後の毛づくろいは、野生時代の習性の名残です。口の周りや前足に付いた食べ物のにおいを消すことで、他の動物に自分の存在を悟られないようにしていました。家猫でもこの習性は受け継がれており、食事の後に毛づくろいをする姿がよく見られます。
リラックスしているときの毛づくろい
リラックスしているときも、猫は毛づくろいをすることが多いです。前足から始まり、顔、胸、お腹、背中、尻尾へと、全身を隅々まで念入りに手入れしていきます。
くつろいでいるときの毛づくろいはその環境や人に対して安心している証拠。座り姿勢で片足を上げたり、横たわって無防備な姿勢を見せたりすることもあります。
驚いた後やストレスを感じたときの毛づくろい
猫は、突然の音や予期せぬ出来事に驚いたとき、気持ちを落ち着かせるために毛づくろいを始めます。同じ箇所を執着的に舐め続けるような場合は、強いストレスを感じているサインかもしれません。
毛づくろいが毛球症や胃腸炎の原因になることも
毛づくろいは猫にとって必要不可欠な行動ですが、過度な毛づくろいはストレスを抱えている証拠かもしれません。激しく舐めていたり、被毛を噛むような毛づくろいが見られる場合は注意は必要です。
過剰な毛づくろいによって飲み込んでしまった毛が消化管内に溜まると、毛球症や胃腸炎、脱毛症などを引き起こし、健康に悪影響を及ぼすことがあります。
毛づくろいをしなくなったら要注意!
毛づくろいをしなくなった場合にも注意が必要です。原因として考えられるのが肥満や高齢化による体の動きづらさです。
太りすぎてお腹周りの脂肪が邪魔になり、体が思うように曲がらなくなってしまったり、高齢で関節が硬くなって思うように動けなくなったりすることがあります。
他にも急に毛づくろいの頻度が減ったり、特定の場所だけ手入れしなくなったりした場合は、体調の変化のサインかもしれません。口内炎や歯周病で口が痛い、皮膚に痒みや痛みがある、体のどこかに不調があるなど、様々な可能性が考えられます。
また毛づくろいをしない猫もいます。普段から愛猫の毛づくろいの頻度をよく観察しておくことが大切です。
愛猫のためにブラッシングするメリット
猫は自分で毛づくろいする習性がありますが、飼い主がブラッシングしてあげることで、以下のようなメリットがあります。
- 毛玉や抜け毛を防いで健康な被毛を保てる
- スキンシップで愛猫との仲が深まる
- 皮膚の健康状態をチェックできる
- 室内の抜け毛対策になる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
毛玉や抜け毛を防いで健康な被毛を保てる
ブラッシングはお手入れの基本中の基本です。長毛種の猫や被毛の多い猫種では、毎日のケアが欠かせません。
ブラッシングして毛玉や抜け毛を丁寧に取り除くことで、猫が毛づくろい時に飲み込んでしまう毛の量を減らすことができ、毛球症の予防にもつながります。換毛期は毛が抜けやすい時期なので、いつも以上にこまめなブラッシングが必要です。
また、皮膚を刺激することで、血行が促進され、新しい被毛の成長を助ける効果も期待できます。
スキンシップで愛猫との仲が深まる
ブラッシングは愛猫とのスキンシップにもなります。優しくブラッシングしてあげれば、幸せを感じてリラックスしてくれるでしょう。触れ合うことで互いの信頼関係や絆を深められます。
ただし、タイミングによって嫌がる猫もいるので、無理強いは禁物です。食事直後や熟睡中は避け、くつろいでいるときを選んでブラッシングしましょう。
皮膚の健康状態をチェックできる
皮膚の健康状態をチェックできるのも、ブラッシングをするメリットの一つです。
皮膚の健康状態をチェックすることで、起こり得る病気を早期発見できます。症状が軽いうちに気づくことで、猫の負担も軽減でき、重症化を防げるでしょう。
また病気にかかるリスクを減らせるため、結果的に医療費も減らすことにもつながるのです。
室内の抜け毛対策になる
ブラッシングすることで、室内の抜け毛対策になります。こまめにケアすることで、床やソファ、カーペットに毛が散らばるのを抑えられます。
特に換毛期は抜け毛が多くなる時期です。春と秋の年2回、気温の変化に合わせて毛が生え変わるため、普段以上に抜け毛が増えます。1日2回程度を目安にブラッシングでケアしてあげましょう。
猫の毛づくろいには意味がある!ブラッシングなどのケアも忘れずに行いましょう
猫の毛づくろいには、体の清潔を保つだけでなく、ストレス発散や体温調節など、様々な意味があります。
また普段と様子が違う場合は、体調の変化のサインかもしれません。愛猫の健康のために、毛づくろいの頻度や様子をよく観察し、ブラッシングなどでケアしてあげましょう。
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