猫を飼うのにかかる生涯費用は150万〜268万円
一般社団法人ペットフード協会が令和5年に発表した「全国犬猫飼育実績調査」によると、猫の生涯費用は約150万円、平均寿命は15.79歳という結果でした。
また、アニコム損害保険会社が行った「2023最新版ペットにかける年間支出調査」では、1年にかかった費用は約17万円でした。仮に生涯年数を15.79歳とした場合、約268万円になります。
上記からわかるように、猫にかける費用は大きな開きがあることがわかります。この差は、フードの種類や医療費の有無などによって異なります。
そのため、猫を迎える前にどのような費用がどれくらいかかるのか、しっかりとイメージを持っておくことが大切です。
猫を飼うのにかかる初期費用
猫の初期費用は、どこにお金をかけるかによって金額に差が出ます。とはいえ、必要最低限の用品から始めて、猫の性格や生活スタイルに合わせて後から揃えていくこともできます。以下で、初期費用の内訳を見ていきましょう。
猫の購入費用
猫の購入費用は、保護猫の場合は数万円程度ですが、ブリーダーやペットショップから購入する場合は品種によって様々です。参考として、petmiで販売されている人気の子猫の平均価格を紹介します(2024年10月時点)。
- スコティッシュフォールド:約205,949円
- アメリカンショートヘアー:約183,464円
- マンチカン:約272,294円
- ラグドール:約246,514円
- ミヌエット:約271,329円
予防接種費用
猫の予防接種は3種混合ワクチンが一般的で、1回のワクチン接種で5,000円ほどかかります。子猫のうちは免疫力がついていないため、2〜3回に分けて接種する必要があるため、1.5万円前後を見込んでおきましょう。
去勢・避妊費用
猫の去勢手術は15,000円〜30,000円、避妊手術は20,000円〜40,000円ほどかかります。費用は掛かりますが、発情期の夜泣きやマーキング癖の予防、望まない妊娠の防止に加え、乳腺腫瘍や生殖器系のがんなどの予防にもなります。
グッズ費用
猫が快適に暮らすためにも、以下のようなグッズも必要です。
- サークル・ケージ:5,000円〜数万円
- 食器:800円〜1,800円
- 給水器:2,000円〜4,000円
- 爪とぎ:5,000円〜15,000円
- キャリーバッグ:2,000円〜3,000円
- ブラシ:1,000円〜3,000円
- キャットタワー5,000円〜10,000円
- 首輪・リード:700円〜1,800円
- おもちゃ:1,000円〜2,000円
これらのグッズは一度に全て揃える必要はありません。猫の性格や生活環境に合わせて、優先順位をつけながら徐々に購入していくとよいでしょう。
猫を飼うのにかかる年間費用は?維持費用の内訳
月々にかかる費用はピンキリです。先程の生涯費用をもとに、年間・月間でかかる維持費用を計算すると、年間で約9.5万円〜約17万円、月々約8,000円〜14,000円の維持費が必要です。以下で、月々にかかる具体的な内訳を見ていきましょう。
フード代
猫の費用で多くの割合を占めるのがフード代です。最初の1〜2ヶ月は、購入先や譲り受けた先と同じフードを与えるようにしましょう。目安は2,000円〜3,000円です。
その後、猫の好みや健康状態に合わせて、バランスの取れたフードを変えるかを検討しましょう。種類やグレードによりますが、3,000円〜5,000円まで費用がかかります。
なお、腎臓病などの療法食が必要な場合は、通常のフードより高額になる傾向があります。
日用品
毎月必要な日用品の費用は以下の通りです。
【必ず毎月必要なもの】
- 猫砂:1,000円〜2,000円
- トイレシート:800円〜1,500円
【必要に応じて購入】
- 爪とぎ:1,000円〜3,000円
- おもちゃ:500円〜1,000円
日用品は毎月かかるというわけではなく、その都度猫の様子を見ながら買い替えや補充をしていく形になります。
たとえば、爪とぎは使用頻度によって1〜3ヶ月持ちますし、おもちゃも状態を見ながら随時買い替えていけば大丈夫です。まとめ買いをすることで、費用を抑えることもできます。
ペット保険
ペット保険の加入は任意ですが、加入しておくことで、高額な医療費がかかった際に、費用を一部負担してもらえます。
保険料は月々1,000円〜3,000円で保険会社によって様々です。年齢が上がるにつれて保険料も高くなりますが、一定の年齢で保険料の上限が設定されているものもあります。自身の経済状況や猫の健康状態を考慮し、複数の保険を比較検討することが大切です。
その他猫の飼育でかかる費用
猫を飼う際は毎月かかる維持費だけでなく、健康診断や予防接種、突発的な病気やケガの治療費などの費用もかかります。これらの費用を踏まえて準備をしておきましょう。
定期健康診断
猫は体調の変化を見せにくい動物のため、病気の早期発見や予防のために、年1回の定期健康診断が必要です。費用は動物病院や検索項目によって異なりますが、5,000円〜10,000円ほどです。
基本的には、問診や身体検査、尿検査が含まれています。またオプション検査として血液検査や超音波検査、レントゲン検査などもあり、追加する場合はさらに費用が高くなります。
年1回のワクチン代
猫の基礎免疫を維持するため、年1回の3種混合ワクチン接種が必要です。費用は1回あたり3,000円〜5,000円程度です。4種・5種混合ワクチンは5,000〜7,000円ほどかかります。
病気やケガのときの治療費・手術代
病気やケガになったときにかかる治療費は、症状の程度によって大きく異なります。一般的な病気の治療費の目安は以下の通りです・
- 歯周病:6万〜10万円
- 異物誤飲:10万〜15万円
- 尿路結石:15万〜20万円
- 下痢:3,000〜3万円
- 骨折:20万〜30万円
- 腫瘍・がん:30万〜50万円
このように予期せぬ高額な医療費が発生する可能性があるため、ペット保険への加入や緊急時の貯蓄を検討しておくことが大切です。
光熱費
猫を飼うことで、光熱費もかさみます。猫は室温に敏感で、快適な環境を保つために空調管理が欠かせません。夏の冷房費、冬の暖房費は注意が必要です。
猫の適温は20〜28℃とされており、真夏や真冬は24時間空調をつけることも。その結果、トータルで15,000円ほど光熱費が高くなる可能性があります。
参考:猫に多い病気ランキング!年齢別で気を付けるべき病気と予防するポイント|グッドカミング
愛猫のために費用を把握しましょう
今回、猫の飼育にかかる費用として150万円〜268万円と紹介しましたが、この金額は猫種や飼育環境、健康状態によっても変わっていきます。
愛猫との幸せな暮らしのために、必要な費用をしっかりと把握しておくことが大切です。猫は15年以上の長い付き合いになるため、余裕を持った準備を心がけましょう。
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