犬を飼う費用は生涯でどのくらいかかる?
一般社団法人ペットフード協会による2021年の全国犬猫実態調査によると、犬に関する月々の支出総額(医療費等含む)は平均13,843円でした。これを年間に換算すると、約16万6千円の出費となります。14.65歳の平均寿命で計算すると、生涯でおよそ243万円の費用がかかる計算です。
ただし、この金額は平均値であり、犬種や個体差、飼育環境によって大きく異なります。特に医療費は高額になる可能性があるため、十分な準備が必要です。
犬を家族の一員として迎え入れる前に、長期的な費用について理解し、しっかりとした覚悟を持つことが大切です。愛犬との幸せな生活を送るために、適切な予算管理を心がけましょう。
犬を飼うために必要な初期費用
ここでは、犬を飼うために必要な初期費用を紹介します。
購入代金
犬を家族に迎える際に必要な初期費用の中でも大きな割合を占めるのが、子犬の購入代金です。以下では、petmiで販売されている人気の犬種の子犬の平均価格を紹介します。(※2024年3月時点)
- トイプードル:約290,379円
- 柴犬:約267,569円
- チワワ:約279,820円
- ミニチュアダックスフンド:258,307円
なお、犬を飼う前に心構えと準備が必要不可欠です。以下の記事では、犬を飼う前の事前準備や必要なものを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
初めて犬を飼う | 心構えや準備、必要なものなど飼い方を紹介
畜産登録料
犬を飼う際に必要な初期費用の一つが、畜犬登録料です。これは、狂犬病予防法に基づき、生後90日を経過した日から30日以内に、住んでいる市区町村で登録することが義務付けられています。
登録を怠ると罰則の対象になることもあるため、必ず行いましょう。料金は自治体によって異なりますが、3,000円程度です。紛失した場合の再発行には、1,600円程度がかかります。
狂犬病予防接種費用
狂犬病予防接種は、狂犬病予防法に基づき、生後91日以上の犬に対して年1回の接種が義務付けられています。
狂犬病は人にも感染する恐ろしい病気ですが、ワクチン接種によって予防することができます。愛犬の健康を守るためにも、毎年必ず接種を受けましょう。
狂犬病の予防接種は、飼い主が住んでいる市区町村で実施される集合注射か、動物病院で個別に接種を受ける方法があります。費用は、集合注射の場合は3,000円前後、動物病院では3,000円〜4,000円前後が一般的です。
混合ワクチン接種費用
混合ワクチンは複数の感染症を同時に予防できるワクチンです。種類によって2種混合から11種混合まであります。費用は動物病院によって異なり、3,000円〜10,000円程度かかります。
用品代
犬を飼うために必要な初期費用の中で見逃せないのが、犬の生活に必要な用品の購入費用です。例えば、以下の用品が挙げられます。
- サークル・ケージ:数千円〜数万円超
- トイレトレー:数千円〜数万円以下
- 食器:数百円〜数千円
- 首輪・ハーネス・リード:1,000円〜3,000円
- ブラシ・コーム:1,000円〜3,000円
- ケア用品(シャンプー、爪切り、耳掃除など):数千円から数万円
犬1匹を飼う際の費用内訳【1ヶ月あたり】
ここでは、犬1匹を飼う際の1ヶ月の費用を紹介します。
ドッグフード・おやつ
質の良いドッグフードを選ぶことは、愛犬の健康維持に欠かせません。ドッグフードは、一般的に3,000円〜15,000円程度が目安です。値段は小型犬・中型犬・大型犬のどの犬に与えるかによって異なります。
おやつ代は、ドッグフードとは別に、月1,000円〜2,000円程を見積もっておくとよいでしょう。おやつは犬にとって楽しみの1つですが、与えすぎには注意が必要です。無理のない予算で、愛犬に最適な食事を用意してあげましょう。
トイレシート・ペットシーツ
トイレシート・ペットシーツ代は、2,000円〜3,000円程度が目安となるでしょう。シーツの種類や枚数は、愛犬の大きさや排泄の回数によって変わってきます。多めに用意しておくことで、こまめに交換でき、清潔な環境を保つことができます。
ただし、あまりに安価なシーツは、漏れや破れが生じやすいので注意が必要です。愛犬の快適さを考えて、質の良いシーツを選ぶようにしましょう。
おもちゃ
おもちゃ代は、数百円〜数千円程度を目安として見積もっておくとよいでしょう。おもちゃは愛犬の運動不足解消やストレス発散になります。愛犬が飽きずに楽しく遊べるよう、定期的に新しいおもちゃを与えてあげるのがおすすめです。
ケア用品
ケア用品にはブラシや爪切り、シャンプー、歯ブラシなどアイテムが含まれます。ケア用品費は、1,000円〜3,000円程度が目安です。
例えば、長毛種の犬は、こまめなブラッシングが欠かせません。短毛種でも、定期的なシャンプーは皮膚の健康維持に役立ちます。爪切りや歯ブラシも、愛犬のケアに欠かせないアイテムです。
ケア用品を選ぶ際は、愛犬に合ったものを選ぶことが大切です。アレルギーなどに配慮し、安全性の高い製品を選ぶようにしましょう。
トリミング
トリミング代は、犬種や体の大きさ、毛の量などによって異なります。一般的には1回あたり5,000円〜20,000円程度が目安です。小型犬の場合は月1回、中型犬や大型犬の場合は2ヶ月〜3ヶ月に1回のペースでトリミングに通うことが多いでしょう。
トリミングの頻度は、愛犬の毛の伸びる速度や皮膚の状態によっても変わってきます。こまめなブラッシングやシャンプーを自宅で行うことで、トリミングの間隔を延ばすこともできます。
医療費
犬を飼う上で、医療費も重要な考慮事項です。狂犬病予防接種や混合ワクチン接種、フィラリア症予防薬、ノミ・ダニ予防薬などの予防措置に加え、病気やケガの治療費、定期的な健康診断などが必要となります。
医療費は、犬種や個体差によって異なりますが、合計して数千円〜数万円程度です。ただし、思わぬ病気やケガになってしまった場合の治療費、手術費は数万円から数十万円に及ぶこともあります。
ペット保険
ペット保険は、愛犬の病気やケガの治療費を補償してくれる心強い味方です。ペット保険の保険料は、犬種や年齢、補償内容によって異なりますが、一般的には数千円〜数万円程度が相場となります。
初めは保険料の支出が負担に感じるかもしれませんが、万が一の際の金銭的なリスクを大幅に軽減してくれる効果は大きいです。特に、高額な手術や長期の治療が必要になった場合、ペット保険があれば数十万円単位の補償を受けられます。
補償内容や免責事項、支払限度額などを十分に確認し、愛犬に合ったプランを選ぶようにしましょう。
犬を飼う際の費用を把握してから、購入を検討しよう!
犬を家族の一員として迎え入れるには、初期費用だけでなく、フードやおもちゃ、医療費など、月々の出費も見落とせません。費用のかけどころをしっかり見極めつつ、無理のない範囲で準備を整えましょう。