コーギーにはもともとしっぽがある
コーギーには、もともとフサフサで長いしっぽが生えています。しかし、生まれてすぐに切られてしまうことが多く、ペットショップや街中で見かけるコーギーのほとんどは、しっぽがありません。
そのため、コーギーにしっぽがあることを知らない方も多いです。なぜ生まれてすぐにしっぽが切られてしまうのでしょうか?まずは、歴史的な理由から紹介していきます。
コーギーのしっぽが切られる歴史的な理由
コーギーのしっぽが切られてきた歴史的な理由を3つ紹介します。
牧羊犬として働きやすくするため
コーギーはもともと牧羊犬として活躍していた犬種です。当時、長くてふさふさしたしっぽは、牛や羊に踏まれたり、木の枝に引っかかったりすることがありました。
これにより、身動きが取れなくなったり、怪我をしてしまったりすることを防ぐために、生後間もなく尻尾を切断する習慣ができたとされています。
節税対策になるため
18世紀から19世紀のイギリスでは、ペットとして飼われる犬には犬税が課されていました。
しかし、牧羊犬や猟犬といった労働犬は税金の対象外とされており、牧羊犬であることを証明するために断尾する習慣ができたともいわれています。
狂犬病を防ぐため
しっぽを切ると狂犬病を予防できると考えられていた時期もあります。これは科学的な根拠があるわけではないですが、当時信じられていたようです。
このように、コーギーの健康を守るためにしっぽを切ることもありました。
コーギーのしっぽが現在でも切られるのはなぜ?
現在、家庭犬として飼われているコーギーのしっぽを切る理由として、しっぽがないのがコーギーのスタンダードであることが挙げられます。
一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)では、コーギーのしっぽは「断尾または5.1㎝まで」がスタンダードと定められています。つまり、しっぽがない、もしくは短いのがコーギーの理想の見た目であるということです。
スタンダードから外れると、血統証明書(血統書)が発行されません。その結果、ペットショップで売れなくなってしまう可能性があるため、現在でも尻尾を切る習慣が続けられているのです。
コーギーのしっぽを切る時期
コーギーのしっぽを切る時期は、生後5日以内が目安です。生後間もない時期だと、痛覚がないとされているためです。
断尾の方法には、主に以下の2つがあります。
切断法:ハサミやメスを使って外科的に尻尾を切断する方法
結紮法(けっさつほう):ゴムバンドで尻尾を締め付けて血流を止め、自然に尻尾が壊死して取れるのを待つ方法
どちらの方法も、一般的には麻酔を使用せずに行われることが多いです。ただし、動物福祉の観点から麻酔を使用しない処置に対しては批判もあり、現在では適切な方法が求められています。
コーギーのしっぽを切ることの影響・問題点
コーギーのしっぽを切ることの影響や問題点を2つ紹介していきます。
感染症のリスクがある
しっぽを切ると傷口ができますが、適切にケアをしないと感染症を引き起こす可能性があります。最悪の場合、命にも関わることもあるため、衛生状態には細心の注意が必要です。
感情表現がしにくくなる
犬はしっぽで感情を表現する動物です。そのため、しっぽがないと「嬉しい」や「悲しい」といった感情が伝わらず、人間やほかの犬とのコミュニケーションに支障をきたすことがあります。
ヨーロッパでは尻尾ありのコーギーがスタンダード
コーギーのしっぽを切ることは、ヨーロッパの多くの国で禁止されています。具体的には、イギリスやオーストリア、ベルギー、イタリアなどです。つまり、これらの国では、尻尾ありのコーギーがスタンダードとなっています。
コーギーの断尾は、見た目や伝統にもとづいて行われています。コーギーの健康や生活に直接的なメリットがないことから、不要な苦痛であるという考え方が広まっているのです。
ただし、日本ではまだ禁止されておらず、ペットショップで販売されている多くのコーギーにはしっぽがないです。ここ最近は、断尾しないブリーダーも増えてきたため、将来的には日本でも尻尾のあるコーギーがスタンダードになるかもしれません。
コーギーのしっぽについて理解したら実際に飼い始めよう
この記事では、コーギーのしっぽが切られる理由や時期、影響などを紹介しました。コーギーは見た目の問題から、現在でもしっぽが切られています。
しかし、徐々にしっぽを切らないブリーダーさんが増えていることから、しっぽのあるコーギーが今後スタンダードになる可能性もあるでしょう。
コーギーについて詳しく理解したら、実際に飼い始めてみてはいかがでしょうか。これから子犬を探す場合は、「petmi」で子犬を探すのがおすすめです。
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